JARLのD-STAR委員会が頒布しているDmonitorなるシステムソフトが面白い。
http://www2.odn.ne.jp/jr1uti/dmonitor/
https://www.fbnews.jp/201907/technical/index.html
平たく言うと、全国各地に設置されたD-STARレピータに直接ネット経由で入り込んで、あたかもそこに山掛けでアクセスしているかのように動作する、というもの。
従来なら、3エリアから1エリアのレピータにゲート越え接続する場合、カーチャンクで応答を見るまで1エリアのレピータが使用中かどうかわからず、しかもたまたま会話の途切れた瞬間だっただけかもしれない、という問題がありました。
しかしこのシステムを使えば、カーチャンクするまでもなく、直接相手方レピータの状態がリアルタイムでモニタ(狸ワッチ)できます。
しかも。
「monitor」という聞くだけかのような名称に反して、あたかも山掛けしているかのごとく相手方レピータから電波でこちらの声を発報する(交信する)ことまでできる、優れものです。
こんなに面白く有用なものでありながら、しかし上記情報サイトなど一般的には、ID-31「PLUS」以降の、(ケーブルでPCと接続しネットにつなげる)DVゲートウェイ機能のある機種に限る、となっていました。
しかし実際には、初代ID-31/ID-51などのケーブル接続できない機種でもDmonitorが利用可能です。
もちろん、最新のIC-705でもDVゲートウェイ機能を使わずに、アマチュア電波でDmonitorに接続ができます。
本稿では、その実現方法について簡単に紹介します。
(なぁ~んて、そんなたいそうなことでもないんですけどね!)(^^;
用意したもの (当局の事例)
・ラズパイ3・32GBMicroSD・DVMEGA*・D-STAR無線機・局免2つ** 他
*DVMEGAは、以下サイトでリグに合った帯域の日本向け仕様品を発注。
DVMEGAは立派なアマチュア無線機なので、必ずTSS等で保証を取っておくことが必要。
**局免2つ…固定局と移動局、自局と家族局、自局とクラブ局、などの方法があります。
機器立上げ手順
①冒頭に紹介したサイトに従い最新版をダウンロードし、起動用MicroSDを作る。
②ラズパイにMicroSDを装着、USBマウス、HDMIモニタ、LANケーブルを接続し、電源ON。
画面モードの初期値がモニタと合わないと表示が出ません。最初は家庭用TVに接続すると好適です。
③起動したら、画面モードの設定など、一般的なシステム設定を実施。
④[システムツール]メニューからDmonitor設定。→接続リグ:DVMEGA, LCD:NONE, 接続コールサイン:DVMEGAに割り当てた無線機識別子。例えば、「JA3ZZZ(半角スペース)A」(空白込みで全8文字が必須。JARL D-STAR管理WEBに登録したDVMEGAの識別子)。[登録]で一旦再起動します。
⑤[システムツール]メニューから[DVMEGA設定]。→周波数:4387x0000とか。(xは数字)、接続デバイス名:/dev/serial0 で[登録]、再起動。
⑥ラズパイが再起動するまでに、ID-31などの無線機を⑤の周波数、DVモードに合わせ、最小出力SLOにしておく。(上記①の最中にやっておくのでもよい。(^^; )
⑦④で登録した接続コールサインがリグに表示されれば、DVMAGEから無線機への受信確認が完了。
⑧無線機側の登録コールサインを、④と異なるもう一方の無線局免許のものにする。
使用方法
①Dmonitor起動→使用中レピータ一覧。
・右下のエリアに現在通信中のレピータと交信局当の情報が表示される。
・赤文字のRep.Callのレピータ局をクリック。
②そのレピータ局が、Dmonitorシステムに対応しておれば、そのレピータ局での山掛け交信が聞こえます。
③CQを出すときは、こんな風に…カナ???(まだ勉強中)(^^;
CQCQ [接続先レピータ名(例;品川430)]各局、
こちらは[JS3xxx(上記⑧で無線機に登録したコールサイン)]、
[自局運用地名]からDモニターでアクセス中です。
ご入感局おられましたらコールください。受信します。どうぞ…。
以上です。いつかどこかでつながりましょう。。。73